院長コラム

あさひと生きる 〜子宮頸がん手術を乗り越えて天使のママになったわたし〜

こんにちは🎐樋渡です👩‍⚕️

台風が心配です🌀

そんな今日ですが、朝は晴れて、朝陽のひかりが燦々と降り注いでいました✨
8月8日。
末広がりの、♾️(無限大)の縁起の良い今日。
『あさひと生きる 〜子宮頸がん手術を乗り越えて天使のママになったわたし〜』
柳佐知著
が、出版されました。

柳佐知さんは、元MBCアナウンサーで、現在はフリーアナウンサーとして、司会や朗読をされています。
2019年に子宮頸がんで大学病院で[ロボット支援下広汎子宮頸部摘出術(トラケレクトミー)]という子宮の下半分(頸部)を大きく摘出する手術を受けられました。
そのときに最初に大学病院の外来で担当したのが愛育に就職する数ヶ月前のわたしです。
そのとき新婚で強くあかちゃんを欲しいと望んでいた佐知さんは、妊娠の可能性が残る手術に希望を託しました。

医師と患者という立場で出会いましたが、大学を辞めたあと、街でばったり再会し、友人としての関係が始まりました。

彼女の不妊治療。
採卵を何度もして、移植は6回目でようやく妊娠されています。
(当時遠方にお住まいで、当院での不妊治療ではなく、わたしは友人として支えておりました)

そして子宮頸部がない彼女は妊娠後すぐに大学に長期入院。
迫り来る流産を止める手術を何回も受けて。
あと10日ほどで産声を聴ける、という時期(妊娠20週)に、天使の娘さん、あさひちゃんを産みました。
ミモザの日(3月8日)でした。

癌の衝撃、希望の手術、長きにわたる不妊治療の日々、妊娠の喜び、そして涙のお産、そして、暗い暗い深い深い海の底から少しずつひかりを求めて、あさひちゃんとともにまた生きようとする姿。

スマホに書き綴った日記形式なので、等身大の女性の心の声、染み入ると思います。
そして、彼女の強さと愛に胸を打たれると思います。ぜひ本を読んでいただきたいです。

わたしも、[小百合先生]として、彼女の日記にちょこちょこ出てきます😌
そして、本の最後に6ページ、
『佐知さんとわたし』
『これから不妊治療をはじめる、ならびに頑張っている女性の皆さんへ』
という題材で2つの文章を寄稿させていただきました。

わたしにとっても大切な本。
わたしの患者さんたちにも手に取って頂き、何かを感じていただければと思っています。

苦悩や哀しみや辛さは人それぞれで決してひととは比べられない。
そして、外から見ただけではわからない苦しみや悲しみを隠して、何でもないように振る舞っている人たちがたくさんいる。
自分にとっては苦しい日々も誰かにとっては羨ましい日々。
あなたが生きている今日は、誰かが生きたかった今日かもしれない。

特に不妊治療を頑張るみなさんは、彼女からの壮大なエールを感じると思います。
自分だけじゃないんだって勇気づけられると思います。
そして、今、生きていること、に感謝したくなると思います。

わたしの患者さんで子宮頸がんの方もたくさんいました。
子宮頸がんは、早くワクチンがすすみ、近い未来にこの世界から頸がん自体無くなりますように。
ワクチンを打った方もそうでない方も検診を受けて、生きたい未来を望めますように。

そして。
流産を繰り返したり、死産となり、かたちある赤ちゃんとお別れをした天使ママの方もたくさんいます。
暗闇の中でもそっと手を繋いでくれる佐知さんの声が届きますように。

書店やAmazonなどでは購入できず、直接、ネットで注文をしていただくのみの貴重な本です。
クリニックの本のコーナーにサイン本(レディースクリニックあいいくと愛育病院に2冊本人のメッセージを書いていただきました)と注文書を置いておきますね。

彼女の強さと愛が、多くの方に届き、少しでも優しい世の中になるといいなと思っています。
2023/8/8 インスタ投稿より