院長コラム

100分の1ミリの世界

こんにちは🌱樋渡です👩‍⚕️

当院は去年の秋、KYTさんに培養士メインで取材を受け、採卵や顕微授精、胚移植の現場にカメラが入りました📹

その際、胚移植の取材に協力いただき、撮影されながら緊張の移植をした患者さまが、先月無事に愛育病院でご出産。

採卵、凍結。そして、数年の休眠期間をおいてママのお腹に還りました。
芽吹いた、いのちのひかり。
きらきらしたちいさなちいさなひとつぶが、
とつきとおか、少しずつ大きくなり…
やっとやっと、会えました☺︎

ひとつの精子とひとつの卵子で
ひとつぶの受精卵ができ、
たった1個の細胞が、分裂と成長を重ね、
受精した日から5、6日目に胚盤胞となります。
移植するときの胚盤胞は約100個強の細胞数になっていると言われています。
(初期胚は4細胞から8細胞で移植します🫧)

そして、産まれるときには、
なんと3000000000000個‼️(3兆)の細胞になっているそうです🤩

体外受精で産まれた赤ちゃんを見ると、
『たまごちゃんだったのにね〜。ちゃんと人間になってすごいね〜。』
と毎度毎度感心してしまいます。
人生はスタートしたばかりだけど、なんだか『おつかれさま😌』と言いたい不思議な気持ち。

今回の方も、複数回の流産があり、とっても苦しんだ時期がありました。
転勤の多いお仕事で、ある時は離島から船に乗り、ある時は新幹線で県外から。
ひたむきに治療に向き合ってこられました。
そして、やっと、でした😌

いま治療中の方も、いろいろ複雑な思いを抱えていると思います。

体外受精しないといけないの?
体外受精こわい。
体外受精したのに妊娠しないのどうして?
採卵できたのにどうしてグレードがいい胚が育たないの?
着床してくれないのなんで?
きれいな胚盤胞着床するのになんで途中で成長止まっちゃうの?

苦悩の治療でもあり、希望の治療でもあり。

採卵、受精、凍結、移植、着床、妊娠後の成長、出産…と、それぞれ皆が違うステージでハードルを抱えており、悩みが違います。
宝物を探す旅はぐねぐね曲がり道で、時にゴールが見えなくなります。
でも。一概には言えないけれど、頑張った先にかわいい赤ちゃんと出会えることを信じて、治療していただけたらと思います。

そして、不妊治療をすること、体外受精をすること、
それをネガティブに捉えなくていいです!
医療のチカラを借りて、自分たちでお迎えにいくだけなんだと思います。

妊活、妊娠、出産という界隈には、
『自然』『普通』という言葉が溢れていて、時にわたしたちを呪いのように苦しめます。
自然であることが1番幸せであるように、マウンティングされます。

でも、いのちが始まるずっと前から、真剣に考えて、なんども転びながら迎えにいき、ただひとつぶの細胞であったときから大切にされ、愛おしいと感じてもらったかけがえのない赤ちゃん。
『自然』では経験しなかった気持ちや時間もある。細胞時代の写真もある。
そんなふうにプラスに考えて欲しいと強く願っています。

テレビの放送を見て、当院を選んでくれた方がいらっしゃいました。
そして、先日、その方も妊娠して卒業されました。
患者さんたちが繋いでくれたバトンだなぁと感謝しています。
(採卵取材の方は、あと1ヶ月ちょっとでお産予定です🤰✨)

自然妊娠だろうと、不妊治療であろうと、体外受精であろうと、全部素晴らしい🥹
自然分娩だろうと、無痛分娩であろうと、帝王切開であろうと、全部偉い😤👏

誰かの幸せのお手伝いがたくさんできますよう、チームあいいくで、妊活、妊娠、出産を応援し、サポートしていきます🫡

(取材、投稿のご協力感謝いたします🫶🏻☺️)
(すてきな動画の作成をあいいく広報担当👩🏻にご協力いただきました👏実際の放送はサムネイルからYouTubeで見られます)

2024/6/13 インスタ投稿より