院長コラム

卒業メッセージへの思い・・・

こんにちは🌻 樋渡です👩‍⚕️

先週も投稿されましたが、いつもいつも
卒業時にメッセージありがとうございます。
治療中の方たちのヒントやチカラになればと2021年7月から始めた試みでしたが、2年になり、メッセージを集めたアルバムがもうすぐ6冊目になります。わたしたちの宝物です。
(待合室で手に取ってくださっている方をお見かけします💓)

卒業メッセージを頂いた時がとても嬉しくて、
それを読む時がまた嬉しくて、
先日は、診療後に読みながら、涙が溢れて止まりませんでした😭

「ひとつひとつのできることは小さくても誰かのためになってるんだ」
打ちのめされることが多い毎日なので、そう認識できることは、強い強いモチベーションになります。

受付のバックヤードや、培養室の壁にも、
お褒めのメッセージがコピーして貼ってあり、スタッフの誰もが繰り返し読んでは、『よしっ💪』と奮い立たせてるんだな、と思います。

産婦人科のなかでは、やはり花形は『お産』です。
不妊治療は、その準備段階です。人生の中でも辛い思い出やトラウマかもしれないです。
ただ、わたしは、命が芽吹いた時🌱、確かに宿った時、その瞬間に携われることが喜びです。

最近は、
通院数ヶ月〜半年以内の、(わたしからすれば)あっという間の卒業の方が多くいます。
それでも、それぞれ、不妊クリニックに通うか迷った時、予約ボタンを押した時、クリニックの門を初めてくぐった時、ぱんぱんに膨らんだ不安と希望を抱えていたと思います。
『通院が短くてよかった』卒業の笑顔を見る時、安堵の気持ちでいっぱいになって見送ります。

一方で、今月は
反復着床不全や、不育症。年単位の治療をされていた方たちの卒業がかなり多く、嬉しいと寂しいが一気に押し寄せて、感情のコントロールが難しくなっています😅
でも、大きな大きな達成感。看護師さんと培養士さんと喜びを分かち合ってます。

『憧れの愛育病院』メッセージにそんな言葉がありました。同じ駐車場で、クリニックに向かう時、ちくりと複雑な気持ちで見上げる病院だったかも。でも、絶対そのうちお腹が大きくなってあっちに通うんだって思ってるって話してくださった方がいます。

我が子を抱く。
憧れの日に向かうため、いくつ越えなければいけない山⛰️があるかわからない。暗い暗いトンネルの中、向こうにかすかな光が見えた💡と思ったらまた見えなくなって。山を登ったと思ったら、また次の山が見えて。
そんな治療の中。わたし自身は、卒業生がプレゼントしてくれた大切な言葉『暗闇の足下を小さな光で照らしてくれるような存在🔦』であろうと、思っています。

言うまでもなく、クリニック卒業はひとつの通過点。妊娠、出産、育児。思い通りにならないことはまだまだ続きます。
心が折れそうになった時は、卒業の時の気持ちを思い出して欲しい。待ちに待って待ち焦がれて、いのちのはじまりを感謝したこと。おなかに手を当てて、ちいさな命を愛しいと感じたこと。わたしたちの想いが込められた赤ちゃんであることを思い出して欲しい。そう願っています。

『高ければ高い壁の方が登った時気持ちいいもんな』
25年くらい前、大学受験の時繰り返し繰り返し聞いていたミスチルの『終わりなき旅』の一節。わたしの人生のテーマソングになっています。
そして、いまも心に響きます。
ただ、不妊治療はわたしにとっては終わりなき旅ですが、皆さんにとっては『終わりある旅』です😌

長い人生のほんの数ヶ月から数年、でも人生を変える大切な時間。関われることを感謝しています。わたしたちを選んでくれたことを感謝しています。

多くの卒業生たちの想いが、今頑張っている方たちの希望の光となっていますように。頑張ろうとしている方たちの地図🗺️になっていますように。
2023/7/29 インスタ投稿より