院長コラム

卒業エピソード

こんにちは🫧樋渡です👩‍⚕️

週末は、映画『WBC 憧れを超えた侍たち』🎞️⚾️を観ました🥹🏟️
大スクリーン、大音量で、臨場感溢れる試合のダイジェストを堪能し、もう一度感動しました😭😭😭
そして密着されていたベンチ裏の選手たちの涙や苦悩を見て、胸が熱くなりました🥹

さて。
今日は卒業エピソード🎓👩‍🎓のご紹介をします。

29歳の患者さま。
若いのに長い長い治療期間で、やっとやっとの卒業になりました。

妊活開始は5年前。
2つの病院でタイミング治療をされ、当院へは3年前から通院。
排卵誘発とタイミング治療をしていましたがなかなか結果が出ませんでした。
しばらく別の病院で治療されていたようで、おやすみ周期で自然妊娠されましたが胎嚢確認後に流産だったとのこと。
1年半前に当院に帰ってきてくださり、そこから主治医として本格的に携わりました。
タイミング治療が長かったので人工授精にステップアップ。
3回目で妊娠反応が出ましたが、今回も胎嚢のみで、あかちゃんの心拍確認までは届かず😢
不育症リスク因子の精査を行い、プロテインS欠乏症がありました。
その後休憩したり☕️をはさみながら8回目の人工授精まで行いましたが、、、
ご本人と話し合い、体外受精にstep upしました。(AMH3.95)
2月にPPOS法で8個の成熟卵を採取し、顕微授精で6個が受精、4個が良好胚盤胞に育ちました👏
そして、1回目の凍結胚盤胞day4 4AA移植で妊娠。ここから慎重に、と、低用量アスピリン治療と黄体ホルモン、漢方薬など可能な限りの流産予防を行い、この度10週で卒業されました🙌

いつも不安そうで、心配そうで、大丈夫かなぁと思いながらでしたが、長い治療期間で少しずつ交流を深めました。
北陸出身の方で、出身県のお話をしたり、一緒に通院してくださっている義姉妹のお話をしたり。少しずつ笑顔を見せてくれるようになりました😍
だんだん覚悟が決まり、前を向き、背筋の伸びた姿がまぶしかったです。

20代の妊活。
周りからは『焦らなくてもいいんじゃない?』と言われ、周りに治療をしている方も少なく、『どうして自分だけ…?』と孤独になることが多いです。
『若いんだから』人は励ましの言葉のつもりでも、その言葉に傷つく方もいらっしゃいます。
仕事もまだ休みにくかったり、経済的にも余裕がそれほどあるわけではない方も少なくありません。
また、パートナーもまだいいんじゃない?と協力してもらえなかったり🦕
同じタイミングや後から結婚した友達にどんどん先を越されていく不安も大きいと思います。
結婚までが順調だった分、人生で初めての挫折感を味わっている方も…

3、4ヶ月避妊しなければ妊娠することが多い世代。若いからこその原因は、精子が少なかったり、卵管が詰まっていたり、そもそも排卵が安定していなかったり。意外と多いのはピックアップ障害です。

当院で最も多いのは30代後半から40歳前後の患者さまですが、最近は保険適用やSNSの浸透の影響か、特に20代の初診が多いと感じています。Instagramやホームページを見て来てくださいます。
先日は22歳!の方も…😳
不妊治療の世界では、妊娠率が高く、流産率が低い状態がキープされる35歳までを『若い』と認識します。

みんな、自分が歳を重ねると、自分より若い世代はまだ若い、と感じます。今のわたしにとっては30代もまだ若いじゃーんと思ってます。でも、確かに20代の真っ只中にいる時は、『もうすぐ30になる』と焦っていたような記憶があります🤔

若いかどうか、早いかどうかは周りの感覚に合わせることはないです🥰
自分にとっては今が1番歳取ってることになるし、未来に視点を合わせれば今日の自分が1番若いのです🌱

何歳であっても、欲しいのになかなか授からないな、という時は早めに相談していただけたら、と思います😌

若いからこそ少し整えるだけであっという間に卒業することもとても多いですし、たとえ苦労してもしても、最後は絶対妊娠できる!と自信を持って治療にあたれます。
※当院の20代の体外受精治療の累積出産率(最終的に妊娠して出産できる確率)は93.5%です。

念願のご卒業おめでとうございます。
この日が来るのを待ってました😌
今までに人一倍苦労した分、たくさんの笑顔の日々を過ごせますように😌

2023/6/7 インスタ投稿より